事業性資金の借り入れだったら、消費者金融や銀行のビジネスローンでなくても、「日本政策金融公庫から借りる」という方法もあります。
といって尻込みする人も多いでしょう。実は、日本政策金融公庫の融資は、フリーランスや個人事業主の方でも、お金を借りることができるのです。
一口に「日本政策金融公庫」といっても、融資の種類がいろいろあります。個人事業主や小規模な企業の場合は、下のような融資があります。
というものです。それぞれの内容を箇条書きすると、
というもの。金額の上限はどれも2000万円~8000万円程度となっており、かなり莫大。ただ、これはあくまで「最高限度額」なので、当てにはなりません。
個人事業主・自営業・フリーランスなどの人がそれだけ融資されることはないです。大体最初は「50万円~200万円」程度と思ってください(事業の内容や信用度によって、まったく違いますが)。
金利は、安ければ1%~2%、高くても8%程度で借りられます。実際、月商が10万円程度しかない零細のフリーランスの方でも、8%で85万円の融資を受けられた…という体験談も見られます。
そして、この方の場合は2度目に借りるときには「3%、160万円」で借り入れできたそうです。一回目の借り入れで返済状況が良好だったら、二回目には3%で借りられるということです。これはかなりの低金利ですね。
(大学の奨学金なみです)
個人事業主が生活費のために消費者金融でキャッシングしたりするよりも、こちらの方が金利的には断然いい、と言えるでしょう。ただ、何でも一長一短があるので、当然日本政策金融公庫のデメリットもあります。
日本政策金融公庫でお金を借りる時のデメリット・短所は、下の通りです。
ということです。特に大きいのは「連帯保証人が2名必要」ということ。連帯保証人の責任は「本人とほぼ同じ」というくらい重いので、これになってもらうのは、かなり大変です。
「本人と同じ」ということは「事業が失敗して、すべての借金を返済できなくなった場合も、その全額を、肩代わりしなければいけない」ということ。これを説明したら、多分家族以外、誰も連帯保証人にはなってくれないでしょう。
(説明しないで、友人を連帯保証人にして逃げる人が多いので、自己破産者の4分の1は保証人という、笑えない現実があります)
…というように「連帯保証人を2人探す」というのは非常に大変ですが、これが一番のデメリットでしょう。絶対に2人ではないですし、「連帯」でなくてもいい場合もありますが、信用がない初期は、大体こういう条件です。
提出書類は、たとえば下のようなものです。
というもの。収入証明書(年収確認資料)は、確定申告書、所得証明書などを出せばOKです。印鑑証明書は役所でもらうだけで、本人確認資料は運転免許証などでOKです。
「必要な金額を証明する書類」ですが、これは人によってそれぞれです。たとえば「店舗のリフォーム」だったら、リフォームの見積書を提出します。事業用車両の購入費だったら、やはりその見積書です。
もし金額が大きく「事業計画そのものに対する融資」のような内容だと「事業計画書」も必要になります。「こういう事業を展開していくので、融資をお願いします」という一種のプレゼンのようなものですね。
個人事業主の場合、ここまでの融資をお願いすることは少ないでしょう。ということで、事業計画書まで必要になることは少ないといえます。ただ、「その融資を受け、その備品などを購入し、どう事業につなげていくのか」という説明は当然必要です。
もし、ただの生活費として借りようとしていた場合、こういう説明がスラスラとできないでしょう。説明につまると、それで「信用性が低い」と判断され、審査落ちする可能性もあります。
というように、日本政策金融公庫で借りるのは、少々書類の準備が大変ですが、事業を本気でやっていくのであれば、このくらいは簡単にできるようになるべきでしょう。
アコム・プロミス・アイフルなどのビジネスローンだと、最短即日借りることもできます。しかし、日本政策金融公庫では最短即日借り入れは当然不可能。大体2週間、信用度が低い人の場合、1ヶ月待たされる、ということもあります。
ということで、「急ぎで振り込まなければいけないお金がある」というような場合の融資には、まったく適していません。こういう時は、消費者金融のビジネスローン…というより、むしろ普通のキャッシングで借りた方がいいでしょう(不渡りなどを出したら大変なので)。
日本政策金融公庫でお金を借りるのは、こういう「切羽詰まった」場面ではなく、あくまで「お金はないけど、時間は少しはある」という場面です。状況によっては、普通の消費者金融のキャッシングを利用することも、選択肢に入れてください。
以上、個人事業主やフリーランスの人々が、日本政策金融公庫で融資を受けるための知識を紹介しました。一部でも参考になれば幸いです。
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