お金を借りる時の契約には、2種類あります。
この2種類ですが、カードローンの契約は「包括契約」といいます。両者の違いと意味をまとめましょう。
私達が一般に使う消費者金融・銀行カードローンは、限度額の範囲内で「何度でも借入・返済できる」というシステムになっています。
今はキャッシングのシステムが進化しているのでこれが当たり前ですが、本来普通ではないんですね。普通は「1回借りた金額を完済するごとに、その契約が終わる」のです。
たとえば、流れを書くと下のようになります。
ということですね。そして、後日またお金が必要になった時は、もう一度ゼロから、アコムの審査をすることになります。
これは当然面倒ですよね。そのため、「包括契約」という方式が生まれたのです。「いつも何度でも」借りられるという契約ですね。
当然ですが、包括契約にも期限があります。「借り入れ期間・契約期間」などと呼ばれますが、大体大手の消費者金融の場合は5年です。
では、5年経ったらどうなるのかというと、基本的には「自動延長」です。契約終了時に更新審査をして、それで問題なければそのまま延長したり、限度額を増減させたりします。
(プロ野球選手の契約更改のような感じですね)
この包括契約のデメリットは「解約しない限り、いつまでも契約が続く」ということ。「便利でいいじゃん」と思うかも知れませんし、確かにそうですが
「キャッシングが便利」というのは「借りすぎる」というデメリットもあるわけです。
また、契約が続いていて、借入限度額があるかぎり「その限度額まで借り入れしている」のと同じ扱いになります。つまり、新しい分割払い・割賦払い・クレジットカードの審査に通りにくい、ということです。
(すでに借り入れしている状態、として審査されるからですね)
「別に審査に通らなくてもいいじゃん」と思われるかも知れません。全くその通りです。別に借りられなければ借りられないでいいのです。クレジットカードの決済が必要なら、プリペイドやデビットカードなどの、ほぼ無審査のクレジットカードを発行すればいいだけですからね。
この包括契約のシステムを連帯保証人に応用したのが「根保証」というシステムです。これは、「借りた人が一度完済しても、また次の借り入れでも連帯保証人にされる」というもの。しかも、基本的に「連絡なし」で保証人にされています。
「そんな馬鹿な」と思うかも知れませんが、私達もプロミスなどから追加で借り入れする時、いちいち連絡していないですよね。限度額の範囲内だったら「自動的に」引き出すことができます。
根保証というのは、連帯保証人の契約で「包括契約」をやるようなものですから、プロミス・SMBCモビットなどの借り入れと同じように「期間内・限度額内だったら、連絡なしで自由に」行動していいのです。つまり、「一定の範囲内で、借り手はあなたを自由に保証人にできる」ということです。
当然ですが、根保証が無制限だったら、人間は大変なことになります。一度誰かの根保証をしたら「その人が死ぬまで、いつ連帯保証人にされるかわからない」わけですから。
そのため、根保証にも「期間・限度額」などの条件を設けています。「何度でも連帯保証人にできる」のは、あくまでその範囲内ということです。
つまり、仮に誰かの根保証をするのであれば、
と思える範囲内でしか、絶対に契約してはいけません。それ以上の金額・期間で無理して根保証を引き受けると、後々大変なことになります。
また包括契約に話を戻すと、「何度でも使える」というのは、危険性もあります。自分は一切借金しなくても、「空き巣や家族」が盗んで不正利用をする可能性があるからです。家族が勝手に借金することは少ないでしょうが、空き巣や、あるいはお金に困った友人などは、やる可能性もあります。
たとえば『闇金ウシジマくん』では、多重債務に陥って混乱した板橋というサラリーマンが、無二の親友である小堀の自宅に遊びに行き、彼の奥さんが離れているすきに、リビングの引き出しからカードや実印を盗んでいます。
お金に困った時は「無二の親友」でもこういうことをする場合があるのです。「お金には、友情すら壊すパワーがある」と言われますが、確かによほどの強い絆でなければ、簡単に信用してはいけません(逆に、生涯で一人か二人は、裏切られてもいい、というくらい信用するべきですが)。
何はともあれ、そのような悪用のリスクがあるので、「もうキャッシングする予定のないローンカード」は、早めに解約した方がいいでしょう。
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