借入残高を一括返済すると、ブラックリスト入りする―。こう聞くと、多くの人は「は?」と思うでしょう。実際、何も悪いことはありません。しかし、闇金業者で借り入れしていると、こういうことがあります。なぜか?
まずブラックリストとは「個人信用情報」に「事故情報が記録される」ことです。そして、この情報はどう記録されるのかというと「カードローン業者からの報告」によってなんですね。
つまり、利用者をブラックリストに登録するかどうかの「生殺与奪」の権利は、業者が握っているのです。「こういうレベルの遅延・延滞でなければ、報告してはいけない」というルールは、個人信用情報機関にはないんですね。
「短い延滞日数でも、悪質なら報告していい」のです。闇金業者はそこをついているんですね。短い日数だけ遅延・延滞した人にたいして「一括返済したら、ブラックリスト入りさせる」と脅すのです。
これは言うまでもないかも知れませんが「利息を稼ぐ」ためです。長期間借り入れして、利息をたくさん払ってくれた方が、闇金業者は得しますからね。
しかも、彼らはトイチ(10日で1割)のような異常な高金利を設定しているので、返済日数が一日でも多くなるほど、彼らは儲かるのです。一日延びた場合の利益が、普通の消費者金融や銀行カードローンとは、全然違うんですね。
ということで、利用者を恐喝してでも、彼らは一括返済を防ごうとするのえdす。
事故情報・異動情報を自由に報告できるといっても、もちろん限度があります。「このカウカウファイナンスという業者、やたら事故情報の報告が多いな」と思ったら、個人信用情報機関もその業者を信用しなくなるでしょう。
そして、日本貸金業協会などの組織が、そのキャッシング業者を調査する可能性があります。「異動情報の報告が妙に多いようですが、返済トラブルを起こすような人ばかりに融資しているのですか?」と。普通に考えたら「返済能力のない人ばかりに融資する」のでなければ、事故情報の数は同じになるはずですからね。
ということで、いくらカードローン業者が自由に事故情報・異動情報を報告できるとしても、それには限度があります。報告すべき人(本物のブラックリストに該当するような人)をしっかり報告するためには、「普通の人は報告しない」というのが、当然なのです。
これは、状況によります。理由は、その人が「以前、本当にブラックリスト入りするレベルの、返済トラブルを起こした」かも知れないからです。その場合、闇金業者がその人の履歴を「事故情報」として報告するのは、まったく問題ありません。
しかし、彼らは取引の材料として、現時点では報告していないわけですね。そして、「一括返済しなければ、このまま個人信用情報に登録しない。しかし、一括返済するなら報告して、登録してもらう」というわけです。
しかし、基本的に闇金業者は個人信用情報機関とは取引できません。当然ですが、トイチ・トゴなどの暴利はJICC・CICなどの組織も認めていないので、闇金業者との提携は、個人信用情報機関も拒んでいるからです。
そのため、多くの闇金業者は「この人、返済トラブル起こしたからJICC・CICさんで登録してください」と言っても、おそらく受け付けてもらえません。つまり、彼らの「一括返済したらブラックリスト登録する」というのは、ただの脅しだと思ってください。
そもそも、闇金業者で借りたお金を、全部完済できる人はめったにいません。この時点で、あなたはかなり優良な顧客です。彼らは「元本を回収する」だけでもかなり大変なのですから、それを予定よりも早くやってくれる(全額返済してくれる)というのは、良いことでもあるのです。
確かに利息はつかないですが、元本自体貸し倒れになるよりマシでしょう。また、闇金業者は常に警察のがさ入れ、同業者による襲撃など、あらゆるトラブルに対応しなくてはいけないので、「自主的に全額返済するような優良顧客」まで、敵視している暇はないのです。
…ということで、街金・サラ金などが「一括返済したらブラックリスト入りさせる」などと脅してきても、別に屈服する必要はありません。毅然とした態度で、繰り上げ返済してしまいましょう。
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