貸付自粛制度を利用している人は、闇金業者に注意する必要があります。理由は「普通の消費者金融から借りられないと、お金を借りたくなった時、ついついヤミ金から借りてしまう」ということです。
実は、レベルの高い闇金業者は、貸付自粛制度の利用者の名簿を持っています。どういうルートから入手するのはか本当に謎ですが、とにかく持っているんですね。
『闇金ウシジマくん』に書かれている内容が事実なら、闇金業者はかなり「公務員などを巻き込んでいる」ようです。公務員・銀行員・金融関連の団体職員などは、普通の消費者金融や銀行カードローンでキャッシングができないそうです。
そのため、彼らは借金をしたくなると、個人信用情報に記録が残らない、闇金業者から借りることが多いらしいんですね。ヤミ金から借りた時点でほぼ必ず返済不能になるので、彼らは「ヤミ金の片棒を担ぐ」という形で、借金や利息をまけてもらうわけです。
さすがにJICC・CIC・KSCなどの個人信用情報機関の人々や、日本貸金業協会の人々が闇金業者に抱き込まれているということは、間違っても絶対にないでしょう。ただ、何かしら貸付自粛者の名簿を入手できる人の関係者が、ヤミ金と関わっているということですね。
(裏社会も、今は情報戦なのです)
基本的に、貸付自粛制度を利用する人のほとんどは、借金癖を持っています。「浪費癖」の人もいますが、別に買い物が好きなわけではなく、むしろ「借金」に生きがいを覚えるという、変わった性癖の人もいます。
これは赤ん坊が母親に甘えて、受け入れてもらって嬉しかった時のように、「本来通らないようなお願いを受け入れてもらった」ということに、「人から肯定された」という喜びを感じるんですね。
借金しまくるような人は、一部の金遣いの荒いエリートを除けば、あまり特技や能力がないのです。もちろん、人間はそんな特技や能力など別になくてもいいのですが、残念ながら社会はそういう人に厳しいんですね。
そのため、彼らは自分を認めてもらったという経験がありません。しかし、借金の審査に関しては「審査に通りました」という「合格通知」を、人生で初めてと言ってもいいくらいの新鮮さで、受け取ったわけです。
成功体験がある人にとっては、信じられないことかも知れませんが、小さい頃から、親にすら褒められたことがない人たちにとって、これは「嬉しい出来事」だったんですね。こうして彼らは「浪費癖」ならぬ「借金癖」を身につけてしまうのです。
そういう人がキャッシングを完全に遮断するのは「麻薬中毒者がドラッグをやめる」のと同じくらい大変なことです。借金をしたくなる頃に、闇金業者は名簿をつかって、彼らに対して融資を持ちかけるのです。
このように誘惑のある環境だと、精神疾患としての「キャッシング癖」がある人は、誘惑を断つことができません。そのため、こうした人々には「強制的矯正」が必要です。
強制というと、縛り付けてどうこうするというようなイメージがあるかも知れません。しかし、違います。そうではなく「人間として、精神的にいいこと、体にいいことをやらざるを得ない環境」に追い込むということです。
ホリエモンの「監獄ダイエット」を見ても「強制的に健康な生活をさせられる効果」はよくわかるでしょう。韓国のビジネスマンにハングリーな人々が多いのも、徴兵制で鍛えられているからだと言われます。
このように、人間を正しい方向に導く時「良質な強制」は、かなりの効果があるのです。やり方を間違えてはいけませんが、うまくやれば「これ以上の優しさはない」という結果を出せるわけですね。
カードローン破産者の人々に必要なのは、そういう「良質な強制」です。実際に精神疾患に指定されるような「病気」なわけですから、本人の意思だけに頼ってはいけないのです。
なぜなら、意思というのは「脳という内臓」から発生する「分泌物」に過ぎないからです。脳という内臓が不健康である以上、分泌物が不健康になるのは、仕方ないことなのです。
キャッシング破産者に対して必要なのは、貸付自粛制度などの「システム」もありますが、何より「精神的な救い」です。たとえば『闇金ウシジマくん』の「フリーターくん編」を読むと、それを実感します。
これは、30才過ぎの引きこもりニートを抱えた家庭の崩壊を描いていますが、一度ボロボロになったこの家族「宇津井家」は、そのニートの男性がまじめに働くようになって、絆を取り戻します。
経済的には、宇津井家は以前より遥かに悪い状態なのですが、雰囲気は遥かによくなっているのです。最後のウシジマくんと、部下・高田のセリフにも、それが現れています。
丑嶋はウサギ以外にあまり感情を注がない人間なので、冷たい返答ですが、多分丑嶋にもそう見えたのでしょう。これはただの漫画のワンシーンではなく「キャッシング破産者に必要なのは、精神的なぬくもりである」ということがわかります。
ラストの宇津井家は、経済的には底辺中の底辺なのですが、それでも彼らはドロドロになった家族を立て直したという、小さい喜びを感じているのです。人間が借金やギャンブル、浪費などから足を洗うのに、本当に必要なのは、こういうぬくもりなのでしょう。
© カードローン攻略編集部 All rights reserved.