キャッシングより質屋でお金を借りた方がいいのはどういうケースか―。ほとんどの人の場合は消費者金融や銀行などのキャッシングを利用した方がいいのですが、ここでは「質屋の方が向いている人」の条件をまとめます。
箇条書きすると、下の通りです。
ということです。以下、詳しく説明します。
質屋は当然「質草」が必要です。それを預けてお金を借りるわけですね。そして、安物のアイテムでは当然ダメです。高価な腕時計・バッグなどのブランド品、楽器などでなくてはいけません。
そして、どのくらいの目安でお金を借りることができるのか。たとえば定価で52万5000円で売られているカルティエの腕時計の場合、10万円は確実に借りられるというレベルです。(これは、NHKの「偽装質屋」の特集で、本物の質屋の方がインタビューに応えていたものです。
ということで、大体「定価の5分の1」と考えていいでしょう。もちろん、状態や使用した年数にもよるので、一概には言えません。物によってはもっと安くなることも、逆に高くなることもあるでしょう。
たとえば銀行員の方や、大手の消費者金融に勤務している方など「個人信用情報に自分のキャッシングの記録が残ると困る」ということがあります。消費者金融ならいいかも知れませんが、銀行員や、公務員の中でお金に関する職場に勤めている人などは、記録が残るとかなり厳しいようです。
これについては、大ヒット漫画『闇金ウシジマくん』の中でも、しばしば銀行員が丑嶋の仲間として登場することでわかります。仲間というのは、この場合「丑嶋のヤミ金の仕事を手伝う」ということで、あまりいいものではありません。しかし、彼ら銀行員はヤミ金からしかお金を借りられず、このように丑嶋の味方になっているわけですね。
…という特定の職業の方など、何らかの事情で「個人信用情報にキャッシング歴が残ると困る」という人もいるでしょう。そうした方の場合、借り入れの履歴が残らない質屋を利用することはメリットがあるといえます。
これも「個人信用情報」と関わることです。アコム・SMBCモビット・プロミスなどの普通の消費者金融で借りる場合、「個人信用情報を参照して審査する」わけです。
そうなると、それを見て「あ、この人年収の3分の1まで借りてるや」となったら「貸金業法第13条の2第2項の規定に達しているので、ご融資できません」となります。(貸金業法第13条の2第2項の規定で…とは言わないですが)
そのため、こういう人の場合「質屋が向いている」というより「質屋でしか借りられない」わけですね。この場合も、あまりおすすめはできませんが、質屋で借りることになります(日払いのアルバイトなどで稼いだ方がいいのですが…)。
質屋の金利は、非常に高いです。法律で設定されている最高金利は、消費者金融と質屋で、それぞれ下のようになっています。
つまり、質屋は「消費者金融の約5倍」ということですね。実際の質屋の金利はここまで高くなく、大体「30%~80%」程度で推移します(その人が借りる金額や信用度、預けるアイテム、借りる質屋などによって、かなり変動します)。
ということで、法定金利の「109.5%」までは行かないものの「30~80%」というのは、普通のキャッシング業者と比較すると相当高金利です。ということで「短期間で返済しないと、利息が相当膨らむ」わけですね。
質屋は、3ヶ月しか借り入れできないようになっています。「3ヶ月経ったら、預かったアイテムを質流れにして(質屋がそのままもらって)、そこで契約は終了、ということですね。もう返済する必要はないのです(代わりに、ブランド品なども戻ってきません)。
この3ヶ月という期限は「質屋営業法」によって決まっています。法律では「流質期限(りゅうしちきげん)」といい、一般的には「預かり期限」などと呼ばれます。
このように、高い利息をとられる代わりに、消費者金融や銀行カードローンなどのように「いつまでも借り入れする」ということがなく「3ヶ月という短期決戦」で借り入れが終わるので、借金地獄になる危険性はありません。
(代わりに、高いお金を払って買ったブランド品や時計が、なくなるわけですが…)
これはネガティブな理由ですが、ブラックリスト入りしているなど「手元にあるアイテム以外、信用してもらえる要素がない」という人は、質屋で借りるしかありません。
「クレジット=信用」という英語の意味でも分かる通り、お金を借りるということは「信用」だけで成り立つのです。そして「ブランド品」などのアイテムは、それ自体が信用を持っています。
持ち主がどれだけ信用できない人物であっても、その物体が信用できるものであれば、それは力を持つ
んですね。これは「貨幣」の仕組みとも非常によく似ています。
お金さえあれば、どんなサービスでも受けられる、というのも「お札」という「物体」に対して、信用があるからです。何はともあれ、そのように「物品で自分の信用を証明するしかない人」は、質屋が唯一の借り入れ先となります。
(ちなみに、借金で有名な作家の中村うさぎさんの場合、税金滞納などでブラックリスト入りしていたため、おそらくキャッシング業者から借りられず、質屋を使っていたのだと思われます。作品を読むと、質屋で借りていることが非常に多いので)
以上、通常のカードローン業者よりも、質屋で借りた方がいい人のケースをまとめました。正直、ネガティブな理由が多いです。消費者金融などで借りられる人は、そちらで借りた方がいいでしょう。
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