消費者金融と質屋、『金利だけで』比較するとどちらが安いか―。これは圧倒的に「消費者金融」です。
「金利だけで」というのは金利以外の条件で比較すると、質屋の方がいい(というより質屋でしか借りられない)人もいるからです。ここでは、お金を借りる時に一番重要である「金利」だけに絞って比較します。
消費者金融と質屋、それぞれの平均的な金利は、下のようになります。
「質屋の金利が、異常に高い」と感じる人も多いでしょう。その通りです。しかし、本当はもっと高くしていいのです。
法定金利というのは、文字通り「法律で決められた金利」のことです。「これ以上の金利は違法」ということで「上限金利・最高金利」などとも呼ばれます。
消費者金融 | 20% |
質屋 | 109.5% |
というのが、それぞれの法定金利です。つまり、質屋は最大で「消費者金融の5倍」まで金利が高くしていいんですね。それと比較すると、現在の質屋が一般的に適用している「30%~90%」という年利は、決して高くないのです。
(安くもないですが)
実際に毎月支払う利息はいくらなのか―。たとえば「10万円」を1ヶ月借りたとしましょう。その場合、1ヶ月で支払う利息は下のようになります。
…という風です。消費者金融の利息が圧倒的に安いというのは、よくわかるでしょう。
質屋と消費者金融の決定的な違いとして「借り入れ期間」があります。質屋は「最大で3ヶ月」しか借りられないのです。
3ヶ月過ぎるとどうなるのかというと、「質流れ」といって、預けている時計・ブランド品などが質屋のものになります。
この時点で、もう返済は終わりです。利息を払う必要も、元金を返済する必要もありません。代わりに、バッグや時計・楽器なども、そのまま戻ってきません。
この返済期間(流質期限)が法律で3ヶ月と決まっているので「質屋は、3ヶ月で完済しないといけない」のです。そのため、利息がどれだけ高くても、取られるのは「3ヶ月まで」です。
ブランド品などが返ってこないという点では、もちろんダメージがあります。ただ、消費者金融や銀行カードローンで借りる時のように、いわゆる「キャッシング破産」まではいかないということです。(物を取られて終わりですから)
なぜ、消費者金融と比較してここまで高い金利が認められているのか?これは下のような理由です。
ということです。キャッシング業者は現金を融資するだけなので、特に店舗などのコストはありません。もちろんプロミス・アコムなどは店舗も構えていますが、業態としては、店舗なしでも十分成立するものです。
事実、楽天銀行スーパーローン(カードローン)・ソニー銀行カードローンなどは「店舗なし」でやっていますし、アイフルもかつては有人店舗が「800以上」ありましたが、2015年時点では「26」まで減少しています。
これによってアイフルは経営危機を脱したのですが、このように「キャッシングは、店舗などの固定費用がかからない」ビジネスなのです。これに対して、質屋は「質草の保管費用が必ずかかる」ビジネスです。そのため、そのコスト分は、利息によって回収しなければいけないのです。
ということで、単純比較するとかなりの高金利に見える「109.5%」という上限金利も、特に問題はないんですね。だからこそ、消費者金融の「グレーゾーン金利」が問題になって改正が決まった2006年以降も、ずっと質屋営業法の金利は変わっていないのです。
以上、質屋と消費者金融のキャッシングの金利を比較してきました。結論は「普通の人は、消費者金融で借り入れした方がいい」ということです。質屋のように高金利な借り入れ先から借りる理由があるとしたら、
などのネガティブな理由だけです。つまり、基本的に「消費者金融では借りられない理由がある人」が、質屋で借りるということですね。例外もありますが、金利が高いところをわざわざ選ぶというのは、それ以外ないでしょう。
ということで、アコム・プロミス・SMBCモビット・アイフルなどの消費者金融でキャッシング審査に通るレベルの人は、これらの大手業者で借りることをおすすめします。
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