遅延・延滞・滞納の意味の違い―。これは下の通りです。
ただ、これは厳密な区別であって、カードローンを普通に利用する人の場合、特に関係ありません。
個人信用情報では、数日単位の遅れの場合は「○日遅延」と表記されることが多いです。そして、61日(2ヶ月)~90日(3ヶ月)を超えた場合は「○日延滞」と書くことが多いです。
ということで、上のような違いがあると言われています。ただ、あくまで個人信用情報でそういう風に記録している、というだけであって、国語的な違いではありません。
国語的にも、確かに遅延の方が短い印象はありますが、たとえばレンタルビデオだったら1日でも「延滞」といいます。ということで、あくまで「業界による違い」と言えるでしょう。
逆に「延滞」と「滞納」については、キャッシング用語としての違いは特にありません。というより、どちらかというと「滞納」は使われない、というのが正確です。
使う人もいますが、全体的には「延滞」の方がよく使われます。実際、個人信用情報でも延滞を主に使っているくらいですから。
あくまで違いを強調するとしたらですが、滞納は延滞よりも「相当な長期」で使われることが多いと感じます。たとえば債権回収会社などは、普通のカードローンの督促よりも、「滞納」という言葉を使うことが多いです。
これはやはり「普段使われない言葉を使うことによって、ことの重大さを認識させる」という目的が大きいでしょう。
「遅延」では、たとえば携帯料金の支払いでも「遅延損害金」などの文字をよく見ているので、大したことない印象があります。また、カードローンの通常運転の時でも「遅延利率」という文字をよく見るので、やはりあまり怖くありません。
また、延滞についても普通の消費者金融や銀行カードローン自身による督促で、すでに使っていることが多いです。「延滞利率」などの言葉ですね。
というように、利用者が見慣れてしまっている言葉の場合、あまり「言葉の重み・迫力」がないのです。というわけで、督促の効果をハッキリと出すためには「聞き慣れていない、力のある言葉」を使う必要があるわけですね。
ということで、イメージ的な問題で、債権回収会社は「滞納」を使うと言えるでしょう。イメージというと軽い理由のようですが、バカにはできません。
選ぶ言葉1つで、業界の様子がかなり変わるということは、しばしばあります。たとえば居酒屋の世界では「女子会」という言葉の登場によって、女性客による売上が一気に伸びました。
この女子会という言葉は白木屋などを展開する企業「モンテローザ」の松本尚氏が生みの親です。
今では誰もが普通に日本語として使っている言葉ですが、一企業が生み出した「プランのネーミングの1つ」だったんですね。
このように、言葉1つで業界の雰囲気が一変する、ということもあるのです。というわけで、債権回収会社が督促の効果を上げるためにあえて「滞納」という言葉を多めに使うのも、決して侮れないことなんですね。
もともと、消費者金融はサラ金と呼ばれていました。今でもたまに呼ばれますが、最近では、アコム・プロミス・SMBCモビットなどの会社を「サラ金」と呼ぶ人は、かなりの少数派になったでしょう。
「消費者金融」という言葉もイメージが良いかといったらあまり良くないので、これで人々に親しまれているとは言いがたいです。しかし、「サラ金」よりはだいぶイメージがいいというのは確かでしょう。
現代では、サラ金というのは主に中小の街金業者を指すことが多いです。ヤミ金と同じ意味だと思っている人も多いので、サラ金と呼ばれるのは、プロミス・アイフルなどの業者にとっては、相当不本意なはずです。
というように、同じような意味でも「言葉のイメージ」というのは、かなり重要なのです。遅延・延滞・滞納の違いはそれほどないのですが、こういうイメージによって、それぞれの使い分けがされている、…ということは参考になさってください。
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