年金受給者の方は、カードローンでお金を借りることもできます。現役のサラリーマン・OLの人と比較したら、当然審査は厳しくなりますが、闇金業者や偽装質屋で借りるよりはマシです。
実は、年金が足りないという理由で、こういう違法業者に手を出してしまう年金生活者の方が増えているのです。そうした業者でお金を借りるよりは、カードローンで借りる方が遥かに健全です。
この時鍵になるのは「年齢条件」。まずは、消費者金融や銀行カードローンの年齢制限を一覧にしましょう。
というのが、ほぼ共通の年齢条件です。銀行カードローンは一部例外があって、
となっています。それぞれの理由は、
ということです。そして、消費者金融は以前「SMBCモビット…65才まで」というルールでしたが、SMBCモビットは2015年9月から、「69才まで」になっています。
(SMBCモビットはこの時、金利や限度額も一気に改善されました)
上にも書いた通り、70才以上の年金受給者の方は、大手の銀行カードローンや消費者金融ではキャッシングできません。そのため、「プランネル」という中小業者をおすすめします。
プランネルは「フリーローン100」というカードローンを提供しています。これは「限度額100万円まで」という少額融資専門のカードローン。これは79才まで借りられるようになっています。
「何か怪しいな。金利が高いんじゃないの?」と思われるかも知れませんが、金利は普通です。アコム・プロミス・SMBCモビット・アイフルなどの大手と同じ、「実質年率18%」です。
プランネルが「大手の消費者金融と同じ金利」というのは、別に「プランネルが低金利」というわけではありません。「これが最初から法定金利ギリギリ」なので、「これ以上高くできない」のです。
キャッシングの法定金利は、下のようになっています。
…というのが法定金利。そして、大手の消費者金融はすべて「18%」でやっています(100万円を超えると「15%」になります)。
大手も最初から「法定金利ジャスト」なので、プランネルと一緒になるのは当たり前なんですね。大手も中小業者も、みんな「法定金利」でやっているのです。
このように紹介しておいて言うのもなんですが、たとえプランネルでも、70才以上の人がキャッシングするのは、相当厳しいと考えてください。
そもそも、70才というのは「いつ死んでもおかしくない」年齢です。縁起でもないことを言って申し訳ありませんが、実際問題、「借りている人に亡くなられる」というのは、カードローン業者にとって一番怖いことの一つなのです。
「死んだら家族が返済するんじゃないの?」と思うでしょう。しかし、返済義務はないのです。「借りていた本人=債務者が死んだら、遺族もそれを返済する必要はない」んですね。
どういう時返済義務が生じるかというと「遺産を相続する時」です。遺産を相続するなら「マイナスの遺産=借金」も相続しなければいけません。そういう場合は、遺族が返済してくれます。
しかし、それは「プラスの遺産の方が多かった場合」なので、「借金の方が多い」時は、遺族も相続しません。「相続放棄」という手続きを取ります。
70才を超えてキャッシングをするような高齢者の方は、当然プラスの資産など残していません。ということで、遺族はほぼ100%、相続放棄します。つまり「貸し倒れになる」ということです。
こうして書くと、厳しいようですが「70才以上の高齢者に融資するのは、キャッシング会社としてかなりの自殺行為」というのがわかるでしょう。よほど資産があるような人でなければ、融資審査に通るのは難しいと思ってください。
(そもそも、そんな人が借り入れの申し込みなどしないとは思いますが…)
これは社会問題でもあるのですが、60才を超えると、お金を借りるのは非常に難しくなります。
…というように、60才以上の年金受給者・年金生活者の方については、これでもかというほど、キャッシング会社にとっての不安要素が並ぶわけです。これで融資しろという方が無理でしょう。
しかし、こうしてお金を借りることができない年金生活者の方が、闇金業者に手を出し借金地獄に陥る…というのが社会問題になっています。
特にこうした高齢者・年金受給者の方をターゲットにしているのが「偽装質屋」。一応質屋を装っていますが、
というスタイルのヤミ金となっています。
本来の質屋は、返済できなかったら「質流れ」で終わるのです。預かっていた品物を、質屋が受け取って、リサイクルショップのように転売するんですね。この時点でもう返済の義務はなくなります(代わりに品物も戻りません)。
このように、質屋への返済は長くても3ヶ月で終わるので(流質期限)、質屋は消費者金融より遥かに高い金利が許されています。
…という金利です。実に消費者金融の5倍ですね。これは「ブランド品などを預かって保管しておくコストがかかる」ということで、認められている金利です。
で、偽装質屋はこれに目をつけたんですね。質屋のふりをすれば、法的に堂々と、通常の5倍の金利をかけられると。そして適当な品物をあずかり、さっさと処分して管理コストを下げ、それで高金利の融資をしているのです。
(高金利というより暴利ですが)
消費者金融や銀行キャッシングで借りられない年金生活者の方は、やむを得ずこうした偽装質屋に流れています。これがNHKのクローズアップ現代でも2014年に放映され、話題になりました。
これを見て「そんな年齢になるまで、蓄えをしていなかった老人が悪い」という人もいるでしょう。確かに彼らの中には、
というような人もいると思います。老後にパチンコにハマったという「自業自得」な人もいるでしょう。
しかし、幼少時にまともな教育を受けられなかった人というのは、大人になっても努力することができないんですね。極端な話、虐待を受けて育った子供は、知能も意欲もコミュ力も、すべてが人並み以下になってしまうのです。
そこまでひどくなくても、それに近いレベルの「中途半端」な人が、「低レベルな庶民」として育つ。そしてこういう老人になり、闇金業者から搾取される―。
そういう現実を見て「老人だけが悪い」ということができるのか。これは難しい問題なのです。
法律にはどこまでも抜け穴があるので、最終的には「人間」が変わるしかないのですが、人間の心ほど、国家が操作不能なものはないし…。ということで、『とかく人の世は生きづらい by夏目漱石』という結論になるのです。
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