借金というと、消費者金融や銀行カードローンなどのイメージが強いでしょう。そして、クレジットカードにはあまり「借金」というマイナスの印象がないはずです。
しかし、状況・条件によってはクレジットカードの方がむしろ利息総額が高くなり、危険なんですね。ここではクレジットカードを使いすぎる危険性について書きます。
クレジットカードが危険な一番の理由は「貸金業法第13条の2第2項の規定の範囲外(例外・除外含む)」ということ。つまり年収の3分の1以上借り入れすることができる、ということです。
消費者金融ではこれができません。どれだけ借りすぎても年収の3分の1までで終わるので、大抵は何とか返済できます。返済できない人は、貸金業法第13条の2第2項の規定を守っていないヤミ金・街金などで借りている、ということです。
(もしくは、借り入れした後で退職したりリストラされたりして、無収入になってしまった…などの事情ですね)
というように消費者金融だったら、意外と借りすぎることはないのです。しかし、クレジットカードだと年収の3分の1以上借りられてしまいます。このため、実はカードローン破産よりも「クレジットカード破産」の方が多くなっているのです。
クレジットカードの借り入れはなぜ貸金業法第13条の2第2項の規定の範囲外(例外・除外含む)なのか―。これは、クレジットカードを管理する法律が「割賦販売法」だからです。貸金業法第13条の2第2項の規定は「貸金業法のルール」であって、割賦販売法では関係ないんですね。
ちなみに、銀行法とも関係ありません。銀行カードローンを管理しているのは銀行法なので、銀行でお金を借りる時も、やはり貸金業法第13条の2第2項の規定は関係ないんですね。
クレジットカードの金利は、消費者金融よりも安いとよく言われます。確かにショッピング枠の場合は「15%」が多いので、銀行カードローンに近いです。消費者金融は「18%」なので、「クレジットカードの方が金利が低い」というのは間違いないでしょう。
しかしキャッシング枠の場合は違います。現金借入枠だと、消費者金融と同じ「実質年率18%」ということも、しばしばあるのです。
実際にいくらの金利になるかは、カード会社によって異なりますし、同じカード会社でもカードの種類や、利用者の信用度・利用実績などによって変動します。ということで一概には言えないのですが、「必ずしもクレジットカードの方が金利が安い、とは限らない」というのは確かです。
そもそも、クレジットカードの方が消費者金融より怖いというのは、金利とか貸金業法第13条の2第2項の規定の問題ではありません。クレジットカードは、借りている人に「借金」という意識がないことが、一番怖いのです。
基本的に、人間が何をするにしても「意識」というのは非常に重要です。冒険家の植村直己さんの本を読んでも、「一番怖いのは、冒険自体でもなく、冒険の資金がないことでもなく、精神が緩むことである」というような内容が随所に書かれていますが、これは借金でも言えることなのです。
たとえ金利が高くても、借入総額が大きかったとしても、本人が「借り入れしている」という自覚を持っていて、ガンガン働いてそれを完済する気でいるなら、それはさほど怖がることではないのです。こういう人は、特に問題なく完済までこぎつけます。
しかし、こういう意識がない人は、本当に怖いのです。危機感がない。あるいは「まじめに働く気がない」ということです(危機感はあっても)。
クレジットカードで「借金」という感覚が麻痺すると、このように一番怖い「精神の緩み」を招くので、それが多くの人を破産に追いやるといえます。
このように借金の意識がなくなりがちなクレジットカードですが、一度、自分がどれだけの利子を支払っているのか、計算してみるといいでしょう。私は一時期リボ払いで50万円前後の借金をずっとしていたことがありますが、それが1年半ほど続き、おそらく利息は総額で、15万円前後になっているはずです。
50万円を1ヶ月借りると、クレジットカードの利息は約6000円です。それを18ヶ月借りていたので、20ヶ月として、12万円ですね。同じように借り入れしている人は、そのくらいに利息総額を払っていると考えてください。
こうした借金漬けの人におすすめしたいのは、まず「無借金の生活の心地よさ」を体験することです。人間は、一度体感し、習慣化したことは、自然と継続するようになります。
借金体質の人は、体がお金を借りる生活に慣れてしまっているので、その状態を不快に感じないんですね。むしろ快感を感じてしまうのです。人間はそのくらい「慣れ親しんだ生活」を離れたがらないのです。
しかし、毎月の利息を自分の使いたいことに使える、という生活は明らかに快適です。一度それを体験し、しばらく継続して体になじませたら、借金体質も改善されていくことでしょう。
(借金体質という言葉が示す通り、人間の行動は精神というより「体質」、つまり肉体の慣れの問題なのです)
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