カードローン地獄にハマる原因は人それぞれですが、最近増えている理由の1つに「ネットワークビジネスに勧誘されて」というものがあります。
ネットワークビジネスというのは、簡単に言うと「ネズミ講」のことで、会員を増やせば増やすほど儲かるビジネスです。そして、何によって会員を増やすのかというと「このネットワークに参加すれば、不労所得で稼げる」というメリットです。
こうしたネットワークビジネス(マルチ商法)は、実際には、初期費用として20万円・30万円という高額を払って、それで終わりなのです。そうして会員権を得て「さあ!自分も勧誘しよう」と思っても、ほとんどの場合、誰も入ってくれません。
これは当然で、インチキなセミナーのCDを1万10万円などの金額で売っているのです。あるいは、どこにでもありそうなサプリメントや化粧品などですね。
何の価値もない商品に「儲け話」という幻想を乗せて売るわけですが、一部の人しかそんな話にはだまされないので、結局会員を勧誘することはできないのです。そして初期費用の数十万円という出費だけが、大きくのしかかることになります。
一部の例外もありますが、基本的に消費者金融などでキャッシングして始めるようなビジネスは、ビジネスとは言いません。こういうのは大抵騙されているだけです。
「商売は必ず儲かる」という松下幸之助の名言がありますが、この意味は「人の役に立つ仕事だったら儲かる。儲からずにお金が出て行くだけなら、それは人に役に立っていないということ」という意味です。
これでマルチ商法を考えて見ると、まず「銀行から融資してもらえる事業でない」という時点で「胡散臭い」ということです。また、入会するためのたかだが数十万円も持っていない自分を誘ってくるという時点で、「何かある」と思わなければいけません。
マルチ商法にハマってカードローンを利用する人は、自分を過大評価しています。つまり「数十万円のお金も払えない程度の自分」という自覚が足りないのです。
これは私も過去にアフィリエイト系で似たようなビジネスにハマっていたのでわかりますが、「数十万円も借金しないと払えないような人」というのは、基本的に能力がないのです。少なくとも、お金を稼ぐ能力はないのです。
(運動神経や学問の才能など、他の能力はあったとしても)
お金を稼ぐ能力がない人間のところに、お金を稼ぐ話を持ってくる。それも非常においしい。この時点で「絶対怪しい」と思わなければいけません。
世の中は不平等なもので「美味しい話」というのはたしかに一部で存在します。しかし、それは「お金持ち」か「圧倒的な能力を持った人」の所にしか来ないのです。
そうした能力や実績もなく、お金持ちでもない自分のところに儲け話が来る。これを信じてしまうあたり「自分を過大評価している」ということなんですね。
認めたくないとは思いますが、キャッシングをしてまでネズミ講のビジネスをする人がまず知るべきことは「自分は、この程度のお金を払うためにも、借金しなければいけないような人間である」という、屈辱的な現実なのです。
こういう屈辱を知ることは、実はいいことです。お金持ちになった人というのは、大抵どこかでお金に関して屈辱的な経験をしています。
上のように書くと「じゃあ、マルチビジネスにハマって、カードローンで借金地獄になるのも、いい経験なんじゃない?」と思う人もいるでしょう。まったくその通りです。「一度痛い目に遭う」というのも、いいことなのです。
実際、キャッシングなどで痛い経験をして、そこから這い上がった人はたくさんいます。「屈辱を感じるべき時に感じず、もっと大きい屈辱を味わった」ということですね。痛いことですが、痛みが大きい分、バネの力も強いのです。
多重債務者の方などに私がよくする話ですが、さだまさしさんは二十代の頃に28億円という巨額の借金をしました。映画制作の費用ですが、利息も含めて30年ほどかけて「35億」という金額を、無事完済しました。
さださんはこの思い出を「借金をしてよかった。借金がなかったら、唄もギターももっと下手だった」と語られています。実際、さださんの歌詞は苦労人の生活をユーモラスに歌うものが多いですが、これは膨大な借り入れの返済の苦労が、バックにあるのでしょう。
というように、キャッシングやカードローン、あるいはクレジットカードのリボ払いなどで苦しむのは、マイナスだけではないのです。それによって精神的に成長するメリットもあります。
要は、してしまった借り入れはしかたないので、それを受け入れて、コツコツ返済していく、ということが一番なのでしょう。
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