住宅ローンの返済ができなくなり、返済のためにキャッシングに手を出す―。というのは多いパターンです。そして、そのキャッシングの返済もできなくなった時、とうとう「自宅を手放す」ということが、残念ながら起きます。
起きてしまったものは仕方ないので、ここでは「よりよい自宅売却の仕方」を考えます。自宅を売る方法は2通りあります。
の2通りですが、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
競売のメリットは下の通りです。
そして、デメリットは下の通りです。
ということです。次に「任意売却」についてまとめます。
任意売却は、裁判所が登場せず「不動産屋・銀行」などと一緒に進めます。自分たちで売りに出し、買い手を見つけ、買い取ってもらった金額を、返済に当てるということです。
任意売却のメリットは下の通りです。
つまり「競売の逆」ということですね。そして、デメリットは下の通りです。
…ということです。できるだけ高く売りたい場合は、任意売却の方がいいでしょう。しかし「売れるまで時間がかかる」「そもそも、売れるとは限らない」という点で、「急ぎでお金を用意しなければいけない」という時には不向きです。
住宅ローンを完済していないということは、その自宅の所有権は、銀行にあるということです。正確にいうと「所有権」ではなく「抵当権」ですが。要はその自宅を自由にできるのは銀行だから、どう売るかも銀行が決めるということです。
残念ながら、住宅ローンを借りるというのはそういうことです。完済するまで、自分には自宅を自由にする権利がないんですね。
ということで、住宅ローンの遅延・延滞が一定のレベルを超えると、その後の処分は銀行が勝手に決めます。
銀行が「多少安くてもいいから、早く競売で決着をつけてしまおう」と思えば競売になります。「少し時間がかかってもいいので、高く売りたい」と考えれば、任意売却になるわけです。
これはハッキリとは決まっていません。銀行次第、その人次第です。
ただ、法的には「期限の利益」というものがあります。これは約束した期限まで、お金を借りたままでいいという権利です。
この「期限の利益」があるから、私達は「借金を一括返済しろ」と言われずに済むんですね。しかし、最初の契約の時に「これこれの条件で、期限の利益がなくなることにします」という約束をします。
消費者金融だったら「一日でも遅延・延滞した時点」となっています。実際には一日でいきなり全額返済を要求することはありません。しかし「やろうと思えばできる」わけですね。
住宅ローンの場合も、銀行が自由に決めています。自由にというより、もちろん借り手と最初に話し合って契約するわけですが。その契約書に書かれている期限だけ延滞・滞納すると、銀行はいつでも「競売などの手段」に出ることができます。
銀行から差し押さえなどの連絡が来る前に、早く自宅売却をしてでも、住宅ローンを返済したい、という人もいます。そういう人の場合、銀行が何かをする前から、自主的に自宅売却するわけです。
そして、その時も「時間に余裕がある」なら、任意売却をします。不動産屋などに仲介してもらいます。売れるかどうかわかりませんが、売れれば競売より高いお金が入るので、住宅ローンを多めに返済できます。
逆に「住宅ローンの滞納がかなり続いていて、急いで現金化しないとまずい」という場合には、競売にかけます。これだと任意売却での市場価格の大体7割程度になりますが、それでも2ヶ月以内に、かなりの確率で現金化できます。
自宅売却の悲しい所は、それをやっても住宅ローンが全額返済できるとは限らない…ということです。
という場合、あと1000万円は、別の方法で返済しなければいけないのです。
とりあえず、1000万円一気に返済しただけでも、銀行の印象はかなりよくなります。残り1000万円だけなので、全額返済しろとはそうそう言ってこないでしょう。
しかし、もう住宅という切り札もない以上、1000万円を返済するのは困難です。このレベルまで来ると、自己破産などの債務整理を選ぶ人がほとんどです。
以上、キャッシングでも住宅ローンの返済ができなくなって、自宅売却する時の知識を紹介しました。任意売却でも競売でも、やはり正直残念な気持ちはあるでしょう。
しかし、目の前の返済の問題を片付けるのがまず一番大事ですから、ここはドライに割りきって、どちらかを選択しましょう。そして、急いで立ち直ることです。
© カードローン攻略編集部 All rights reserved.