借金の時効が成立しているのに、貸金業者から請求が来る―。この原因として「時効の援用」をしていない、ということが挙げられます。まずそこから説明します。
これは「時効の宣言」のようなものです。つまり「もう時効が来たので、私は返済する気がありません」ということを、業者に対して宣言するんですね。
逆に言えば、時効の援用をしていない場合、まだ時効は完全には成立していないということです。時効の援用をして初めて成立するんですね。
時効の援用のやり方は「郵便」ですが、ただの郵便では当然ダメです。「内容証明郵便」で、必要書類を送る必要があります。
内容証明郵便とは「どんな内容の手紙を相手に送ったか」を、郵便局が証明してくれるというもの。
の3通、まったく同じものを書いて、それを自分も郵便局も保管するわけです。そうすれば、相手が「そんな書類受け取っていません」といっても、郵便局が証人になってくれるんですね。
(もちろん、配達が完了した記録も残っています。相手に直接渡すので)
内容証明郵便のルールや書き方を、ポイントでまとめると下の通りです。
ということです。白紙に自分で考えて書くのが大変な場合、文房具店に専用の用紙が売っています。それを利用するといいでしょう。
貸金業者に対する時効の援用の文章は、ネットで無料の例文を見ることができます。法的な文書なので、個性は不要です。これをそのまま書き写しましょう。
内容は「時効がすでに成立しているので、今後は一切請求しないでください」というものです。例文がそういう内容になっているかどうかだけ、一応確認しましょう。
(書き写しているうちにわかるとは思いますが、一応)
こうして時効の援用の手紙を書いたら、後は郵便局で郵送するだけです。費用は、手数料や送料で合計1300円ほどです。少々高いですが、これでキャッシング業者からの請求が止まると思えば、安いものでしょう。
こうして時効の援用の手続きをしても、まだカードローン業者が請求してくる場合―。これは「債務不存在確認訴訟」という訴訟を起こします。
難しい名前ですが、分解して意味を書くと、こうなります。↓
不存在…がない
つまり「借金がないことを確認する裁判」ということです。簡単ですね。
この裁判で、カードローン業者側が「はい、もう債務はありません」と認めれば、これで解決します。以降は、よほど悪質な闇金業者でもない限り請求もとりたてもしてこないでしょう。
裁判とか面倒だから嫌だ…、という人は多いでしょう(私が同じ立場でもいやです)。
そういう人の場合、「監督行政庁に、苦情を申し立てる」という選択肢もかります。要は「役所に訴える」ということです。
貸金業者の監督行政庁は、箇条書きすると下のようになります。
…などです。特に最後の「貸金業指導係」というのは、初めて聞く名前でしょう。「そんなのあったんだ」と思う人が多いでしょうが、このように苦情を受け付ける窓口は、どの地域でもしっかり用意されています。
これらの監督行政庁に苦情を申し立てれば、それがまっとうな内容であれば(あなたの側が正しければ)、それで勝ちます。行政庁からキャッシング業者に対して「行政指導」や「注意喚起」が行われ、それで業者は大人しくなるはずです。
それでも暴走するような業者は、まずいません。そこまですると完全に「国を敵に回す」わけですから、ヤクザ同士のメンツがかかった抗争でもない限り、そんなことはしないのです。どんな闇金業者でも、一人の債務者相手に、そんな馬鹿なことはしません。
(億単位のお金でも融資していたなら話は別ですが…)
以上、「時効が成立しているのに、キャッシング業者からの請求・督促が来る場合」の対策をまとめました。そういう状態の方に、参考にしていただけたらと思います。
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