「携帯キャリア決済の現金化」は、「クレジットカードの現金化」とよく似た仕組みです。まず「携帯キャリア決済」の仕組みは、下の通りです。
…という仕組みです。これをどう現金化するのか、そしてなぜやってはいけないのかをまとめます。
流れを箇条書きすると、下のようになります。
ということです。これだと、消費者金融などで借り入れできない人でも、「9万円」という大金を手に入れることができるわけですね。ただ、当然ですが「いきなり1万円取られる」ということで、かなり損をしています。
消費者金融の場合、10万円を1ヶ月借りると「1500円」の利息が発生します。ということは、「1万円取られる」までに「7ヶ月かかる」ということですね。
しかし、携帯キャリア決済の現金化の場合、「いきなり1万円」取られているわけです。この「10万円につき1万円」というのはあくまで例ですが、これ以下の時もあれば、これ以上の時もあります。
というように、携帯キャリア決済は「信用がない人でもすぐ現金を入手できる」かわりに「法外な手数料を取られる」ということです。
さらに、携帯キャリア決済の問題は「翌月、その料金を一括で支払う必要がある」ということ。上の例の場合、翌月10万円払わないといけないのです。
もちろん、10万円はただ失ったのではありません。失ったのは1万円だけ。業者から9万円振り込まれています。もしこれを「全額残せる」なら、翌月までに用意するお金は「1万円」だけでOKです。
しかし、実際にはこの9万円は何かに消えます。何かに使う必要があるから、借りたのですから。ということで、9万円のうち何万円かが消えて、来月までに「5万円ほど用意しなければならない」という状態になるのです。
(多くの人は、9万円全部使ってしまい、さらに悲惨な状態に陥ります)
結論を言うと「違法ではない」です。つまり「合法」です。一応買い物はしていますし、「買った本人が、それだけの価値があると思ったから買った」という主張もできます。
また「一部をキャッシュバックする」というのは、普通の商品の通販でもやっていることです。ということで「その金額がたまたま大きかっただけ」という言い訳も、法律的には、今のところ有効なのです。
これは、「クレジットカードの現金化」も同じです。クレカの方もやはり完全に違法とはいえず、法的にグレーゾーンと言われています。そして、東京弁護士会などが、これを違法とする法律改正をするよう、国会などに働きかけています。
というような法律で禁止する動きはありますが、現時点では完全に禁止されていないし違法行為とは言えないのです。携帯キャリア決済も同じです。
これもやはりクレジットカードの現金化と同じで、携帯キャリアの会社(ソフトバンク・au・ドコモなど)は、この現金化を禁じています。「発覚したら、回線の停止などの措置を取る」という話も聞かれます。
ただ、実際これを把握するのは難しく、摘発や回線停止にまで至った人はあまりいないというのが現状です。実際、携帯キャリア決済にまで手を出すような債務者というのは、相当追いつめられています。
「ここで借りられなければ、破産するしかない」という人が多く、むしろ彼らはこういう業者がいることを、歓迎しているのです。
それがますます問題の根を深くしているのですが、とりあえず「使えば使うほど損」であることは間違いありません。
プロミス・アコム・SMBCモビットなどの、大手のキャッシング業者で借りるならともかく、こういう携帯キャリア決済・クレジットカードなどの現金化に手を出し始めた時点で、「自分の経済状況・金銭感覚は、相当危ない」という危機意識を持ってください。
多重債務者やカードローン破産者のほとんどは、「危機感が欠如している」とよく言われます。これは、多重債務のや債務整理の相談に応じた弁護士・司法書士などの専門家が口をそろえていうことです。こうした人々は、本当に危機感がないのです。
危機感がないということは、一見のんびりしていて幸せのようにも感じられますが、現実には相当な損をしています。最後の最後までそれでいいならいいですが、それは「幸福感」という麻薬で自分を酔わせ、現実を直視をしない、ということだと私は感じます。
「良薬は口に苦し」とか「忠言は耳に逆らう」ということわざもありますが、借金体質の人には、現実を直視させるような誰かのアドバイスや諫言が、必要な気もします。
いずれにしても、普通のキャッシングやカードローンはともかく、携帯キャリア決済の現金化には、絶対に手を出さないようにしてください。
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