事業性資金を借りる場合「ビジネスローン」という選択肢もあります。銀行だけでなく、消費者金融も提供しています。ここでは、消費者金融のビジネスローンを中心に、事業向けの融資についてまとめます。
まず単純に、金利だけで消費者金融の事業者向けローンを、比較してみましょう。
業者名 | ビジネスローン名 | 金利 |
---|---|---|
プロミス | 自営者カードローン | 6.3%~17.8% |
アコム | ビジネスサポートカードローン | 12.0%~18.0% |
アイフル | 事業サポートプラン | 12.775%~18.0% |
シンキ | オーナーズセレクトカード | 13.0%~18.0% |
ビジネクスト | ビジネスローン | 13.0%~18.0% |
セゾンファンデックス | 事業コース | 6.5%~17.8% |
オリックスクレジット | ORIX CLUB CARD | 8.0%~17.8% |
オリコ | CREST for Biz | 6.0%~18% |
このように、消費者金融や信販会社が提供する事業者向けローンは、大体「普通のカードローンと同じ金利」です。つまり「事業用で、長期で借りるには高い」ということです。
個人用だったら、どの道借り入れも少額なので大したことありませんが、事業用ということは、金額も大きいですからね。それでこのような高金利で借りると、少々大変です。
このように高金利なので、信販会社や消費者金融の事業者向けローンは、あくまで「つなぎ融資のためのもの」と割りきりましょう。間違っても「長期的な事業計画」のために使ってはダメです。
「商売は必ず儲かる」という松下幸之助の名言がありますが、このような高金利なビジネスローンに頼って事業計画を立てている時点で、「そのビジネスは、社会から必要とされていない」という現実に、早く気づきましょう。
起業家のほとんどは客観的ではなく「こうだったらいいな」という希望的観測で行動しています。ドラッカーが口癖のように「表の風に吹かれよ」と言っていたのも、そういうことです。「自分の殻から外に出て、客観的に自分のビジネスを眺めてみろ」と言っていたんですね。
つなぎ融資だったらいいですが、長期の事業性資金として、消費者金融やクレジット会社のローンに手を出すようになったら危険信号です。その時は、一時的な資金繰りに追われるよりも「根本的な問題(そもそも、事業を継続するかどうか)」まで、考えた方がいいでしょう。
長期的に事業に投資していくのだったら、アコム・プロミス・アイフルなどの消費者金融から借りるよりも、
などの公庫から借りた方がいいです。金利は1%~5%という圧倒的な低金利。
消費者金融のビジネスローンの「12.0%~18.0%(アコム)」などとは、まったく違います。実に10分の1くらいの低金利なわけですね。
ビジネスをやっている人が、この金利差を見て何も感じないわけがないでしょう。どちらで運転資金を借りるべきかは明白です。
日本政策金融公庫・中小企業金融公庫から借りるのは、確かに大変です。審査は消費者金融よりはるかに厳しく、事業計画書などもしっかりしていなくてはいけません。
しかし、逆に言えば「公庫が納得するような事業計画がないのに、融資を受ける方が変」なんですね。もちろん、革新的な技術など、お硬い公庫の人には受け入れられないアイディア・サービスもあるでしょう。
しかし、それはそれで「エンジェル投資家」という、ベンチャー専門の投資家たちがいます。革新的なビジネスの場合、そちらで融資を受ければいいのです。
公庫でも、ベンチャー投資でも、お金を借りることができない…。ということは、その事業には将来性がない(と多くの人が思う)ということです。自分の判断は本当に正しいかどうか、ただ格好をつけているだけではないか、ということを、よく考えるべきでしょう。
消費者金融は金利が高いので借りたくない。しかし、公庫の審査に通る自信はない―。
という場合、間を取って「銀行カードローンで借りる」というのもありです。銀行カードローンは「事業性資金として使う」ことは認められていません。しかし「自営業・個人事業主の生活費として使う」のはOKです。
特に自営業の場合、コストのほとんどは「自分の生活費」という人もいるでしょう。そういう人の場合は、「生活費に使っていい=実質事業の融資」と同じですから、これは十分、ビジネスのサポートになるはずです。
銀行カードローンの金利は、大体消費者金融より2割ほど安いので、こちらで借りるだけでも、利息を相当軽減できます。もちろん、これも極力「つなぎ融資」として使うべきですが、一つの選択肢として、候補に入れてみてください。
以上、消費者金融・信販系のビジネスローンを中心に、事業でお金を借り入れることについてまとめました。起業したなら、基本的に「お金をもらったら勝ち、使ったら負け」です。きれいなことを考えるのも大事ですが、まずは愚直に「現金を稼ぐ」ということを重視しましょう。
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