違法な取り立てというのは、法律で規定されています。そして、漫画や映画に出てくるような取り立ては、ほとんど違法です。
また、それぞれのキャッシング会社でも「こういう取り立てはするな」という社内ルールを設けています。ノルマ達成のために焦った社員さんが違法な取り立てをすることも中小業者だったら稀にありますが、それも法律違反なのです。
…ということを知っていれば、彼らの強引な取り立てももう怖くありません。以下、
をまとめます。
違法な取り立ての条件は「貸金業法21条1項」に規定されています。10項目がありますが、それぞれ簡単に書くと、下の通りです。
という内容です。(それぞれの番号は、貸金業法の原文に対応しています)
上の一覧を読むと多くの人がイメージする「借金の取り立て」は、すべて違法ということがわかります。ということで、強引な督促・催促を受けた場合は、基本的にそれは違法である、と思ってください。
キャッシング業者の社内ルールは、当然業者によってそれぞれです。ただ、どこでも先に書いた貸金業法のルールに則っています(当然ですが)。
違いとしては、それぞれの社内ルールの方が、より具体的な内容になっているということ。これも当然ですが、以下、どのようなルールがあるのか、一例を紹介します。
というものです。まだ無限にありますが、要は「債務者に裁判で訴えられた時、負けそうなこと」は一切しないということです。
このようなルールがあっても、貸金業者が強引な取り立てをしてくることはあります。その場合の対策は、
…というものです。そして、一番効果的なのは司法書士や弁護士に相談して、債務整理を始めることです。理由は「債務整理が始まったら、業者は一切取り立てできない」からです。
先に書いた一覧の中の「9番」ですね。「債務整理を始めたよ」という宣言をしたのに、なおも取り立てをするのは違法なのです。
これは「自分でやってもOK」です。必ず司法書士や弁護士に依頼しなければいけない、ということはありません。貸金業法の21条1項9では、下のようない書かれています。
(わかりやすく、分解して書きます)
という内容です。赤字で強調したように「自分でやってもいい」んですね。
貸金業法21条1項は、全部で10の条文が書かれています。しかし、この債務整理に関する「9番目」だけ、異様に長く、読みにくくなっています。
読みにくいだけでなく、パット見「司法書士・弁護士に相談しなければいけない」というように見えます。「自分で開始した場合」という文が、ものすごく読みづらくなっているんですね。
というより、全部じっくり読んでも「自分でやってはいけない」と、書いてあるように見えます。事前に「自分でやってもいい」と知っている人が読まなければ、わからない書き方です。
これを、ある金融の専門家は「わざとわかりにくくしている」と指摘されています。つまり、「こうして、司法書士・弁護士が稼ぎやすいようにしている」ということですね。
本当かどうかはわかりませんが、法改正の働きかけなどは、弁護士会が行っています。彼らに全部の権限があるわけではありませんが、弁護士会のトップと政治家の間に、ある程度のつながりがある、という説もあります。
もし本当に、弁護士会などが働きかけて、この条文をわざとわかりにくくしているなら、司法も、完全な正義ではないのだなとあらためて思いました。(もしこの専門家の指摘が事実なら、ということですし、別に完全な悪だとも思いませんが)
以上、貸金業法の少々疑問な部分も含めて、違法な取り立て行為について解説しました。『ドラゴン桜』では「社会のルールは、頭のいいやつに都合のいいように作られている」ということが繰り返し説かれますが、本当にその通りです。
騙されたり搾取されたりしないように、とことん頭を使って生きていかなければいけない、と感じます。
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