キャッシングの契約の仕組みはどうなっているのか―。これを知っておくと、ヤミ金に騙されることがなくなります。また、過払い請求などの時もこうした知識があると有利なので、ぜひ知っておいてください。
キャッシングの契約は、法的にはどういう書類の契約なのか。この正式名称は「金銭消費賃借契約」というものです。名前は難しいですが、中身を簡単に解説すると、
ということです。「何だ、当たり前じゃん」と思うでしょう。そうです、内容はまったく当たり前なのです。ただ名前が難しいだけなので、特に抵抗を持つことはありません。
(金銭消費賃借契約は、個人でも自作の契約書で結べるものなのです)
この金銭消費賃借契約書を交わしていない場合…、つまり「口約束」しかしていない場合は、この契約は無効となります。つまり「その借金は返済しなくていい」ということです。
「借金を踏み倒すなんてけしからん」と思うかも知れませんが、プロのキャッシング業者でありながら契約書を作成しなかった方が問題があるので、これは踏み倒ししてもまったく問題ありません。
そもそも、まともな消費者金融や銀行カードローンだったら、金銭消費賃借契約書を発行しないということはありえないので、 ここで踏み倒しの話をする必要もないくらいです。
基本的に、キャッシングの契約なのに金銭消費賃借契約書を発行しない―。というのは闇金業者の可能性が高いです。つまり契約書の内容から、違法営業がバレて金融庁に摘発される、というのを恐れているのです。
法定金利で違法な金利を取っている場合、それを文書にしてしまうと、金融庁から処罰されてしまいますからね。あくまで金利については口約束にしておいて、警察から何かを言われた場合、「いや、うちは法定金利で営業していますよ」としらばっくれるわけです。
ただ、逆にこのように口約束にしているため、「消費者が踏み倒ししようと思えばできてしまう」というリスク(闇金業者にとって)もあります。
このような契約書が必要といことは、当然署名・捺印・サインなどが必要になります。「郵便物なしで最短即日借り入れ可能」と書かれている消費者金融・銀行カードローンは、これはどうしているのでしょうか。
これは、「最短即日融資した後、後日の郵送で対応」か、「自動契約機で、サインの作業だけ済ませる」というシステムになっています。
つまり、年収・職業などの審査情報はネットから申込みフォームで送信し、契約書にサインするのは、無人契約機のブースの中で済ませる…というやり方ですね。こうした「ハイブリッド」とも言える審査申込みのやり方は、今の大手の消費者金融では普通になっています。
(これが一番、審査にかかる時間が短くなるからです)
カードローンの契約で一番注意しなくてはいけないのが「白紙委任状」という書類。これは委任状なので「書かれている内容の契約などを、すべて○○さんに任せます」という内容です。
これだけだとただの委任状ですが、白紙委任状は、「書かれている内容」がないのです。つまり「これから何がその委任状に書かれるか、わからない状態でサインするということですね。これがどれだけ恐ろしいか、言うまでもないでしょう。
こうして白紙委任状に騙してサインさせ、その中に悪質な契約内容を書く…というのは闇金業者がよく使う手口です。白紙委任状は、そこにどれだけひどい内容を書かれていても、基本的に法的効力が発生します(あまりにひどいものは別ですが)。
ただ、そこに高金利の契約が書かれることはありません。法定金利を超える暴利は、それ自体が違法なので、白紙委任状に書かれていようと、金融庁が認めることはないからです。ということで、悪徳業者は白紙委任状に「高金利」以外の内容を書いてきますが、何にしても注意が必要です。
以上、キャッシングの契約について、詳しい仕組みなどをまとめました。基本的にはこうしたことは、ただお金を借りるだけだったら知る必要はありません。しかし、万が一闇金業者などと関わってしまった時には、このような知識を用いて対抗してください。
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