キャッシングでも住宅ローンや賃貸の契約などでも、保証人には簡単になってはいけません。家族でも、最低限の吟味は必要ですし、特に友人の保証人は、基本的にならないのが鉄則です。
(こういう記事を読まなくても、保証人になることを即決できるような相手でなければ、どの道本当の友達ではないからです)
以下、保証人の仕組み、なることのリスクなどをまとめます。
保証人と連帯保証人は違います。保証人はともかく「連帯」保証人だけは、絶対になってはいけません。
理由は「連帯保証人は、本人と同じ」だからです。多くの人はこれを知らず「よくわからないけど、身分の保証とかをすればいいんでしょ?」と考えています。自分が「身分証明書を強化する役割」のように思っているんですね。
しかし、連帯保証人はまったく違います。「本人と同じ」ということは、極端な話「本人はまったく督促を受けないで、連帯保証人だけが督促を受ける」ということもあるのです。
「本人と同じ」というのを、具体的に列挙していくと、下のようになります。
ということです。嘘のようですが、「借りた本人には一切請求しないで、すべて連帯保証人に請求する」というのもありなのです。本人の居場所がわかっていても、本人に財産があることがわかっていても、です。
理不尽と思うでしょう。その通りです。連帯保証人は本当に理不尽な制度なので、だからこそ「なってはいけない」のです。別に法律が悪いわけではありません。「なる方が悪い」のです。
「一蓮托生」という言葉がありますが、連帯保証人はまさにそれです。「この人と心中する」という覚悟がなければ、絶対になってはいけないのです。そして、そんな相手は人生でそうそういないので、基本は「ならない」が鉄則なのです。
保証人もあまりならない方がいいですが、「連帯保証よりは遥かにまし」と言えます。理由は、下の2つの権利があるからです。
言葉だけ見ると難しそうですが、意味はこうです。
ということです。連帯保証人の場合、
というのもありなのです。「そっちの方が楽」と、キャッシング業者が判断した場合は、こういうやり方もありなんですね。
あるいは、「借りた本人が、カードローン業者とグルになっている」ということもあります。とにかく、連帯保証人だと、こういう理不尽なことがあるのです。
しかし、ただの保証人の場合は、この理不尽に対して「抵抗」できます。それが「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」ということです。
(意味を知ると、意外とカンタンでしょう)
という権利があるので、保証人は連帯保証人より比較的マシです。ただ、ならない方が良いに越したことはありません。
ということもあるからです。この場合は、保証人も返済をする義務があります。そう考えると、やはり「保証人は、連帯だろうと普通のだろうと、ならない」のが一番でしょう。
保証人にもいくつか種類がありますが、「身元保証人」というのもあります。これは「誰かが就職する時に、その雇い主の会社に対して、その人物を保証する」ということですね。「間違いないやつだから、雇ってやってください」ということです。
もし、その就職した人が会社で何か問題を起こしたら、身元保証人が責任を取る必要があります。実際に金銭的な被害が出ている場合は、それを補填しなくてはいけません。
で、キャッシングと関係あるのは、たとえばその社員が「企業内貸付制度」を利用して、返済しなかった場合です。企業内貸付制度というのは「社員に対する低金利の融資」のことで、基本的に、給料からの天引きによって返済していきます。
ということで、延滞・滞納はめったにないのですが、たとえば「借りてすぐに仕事をやめようとした」などの場合、問題になります。こういう場合は、当然すぐに退職は認められないので、どうしても退職するという場合、身元保証人の所にも、しわ寄せが来ることがあります。
…というようなケースでは、「身元保証人」も、借金のトラブルに巻き込まれます。ただ、これは基本的にめったにないと考えていいでしょう。(そもそも、従業員貸付制度を知らない人も多いですし、ない会社も多いので)。
以上、連帯保証人になるリスクも含め、保証人全般になることの危険性をまとめました。「自己破産者の4分の1は、保証人になったことが原因」というデータを見ても、保証人になることのデメリットは、火を見るより明らかです。
「この人だったら、この金額だったら裏切られてもかまわない」という時だけ、保証人になるようにしましょう。
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