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地方銀行のカードローン審査の実情 ~元行員さんの証言より~

地方銀行のカードローン審査の実情 ~元行員さんの証言より~

地方銀行のカードローン審査の実態は、どうなっているのか。ネット上に地方銀行に勤務されている方の証言があったので、それをまとめさせていただきます。

地方銀行は、一切審査はしていない

まず、地方銀行はカードローンの受付をしていますが、「審査自体」は、一切していません。そこで受け付けて、保証会社に流すだけです。

保証会社というのは「審査を担当する会社」のようなもの。もし貸し倒れになったら、この会社が代わりに全額返済(代位弁済)するわけです。そのため、地方銀行は貸し倒れになっても、痛くも痒くもありません。代わりに、この保証会社が借り手に対して、回収にかかるわけです。

ということで地方銀行は、保証会社から送られてきた審査結果を、申し込み者に伝えるだけ。基本的に「仲介業務」「代理店」のようなものです。

地方銀行が独自に審査し直すこともある

しかし、稀に地方銀行が独自に審査し直すこともあります。保証会社の審査で「融資不可」となった人でも、その銀行と付き合いの深い人などを「なんとか融資できないか」と、再審査をお願いするということです。

これを「取り上げ審査」というのですが、下のような人が該当します。

  • その地方銀行に給与振込口座を持っている
  • その地方銀行の口座に、一定の金額の預金がある
  • ブラックリスト入りしていない

ということです。最後の条件は、「ブラックリスト」の基準がいろいろですが、小さな金融事故であっても、過去に何か事故情報・異動情報がある場合、否決となります。これについては「消費者金融などより厳し目」程度に思っておいていいでしょう。

地方銀行(というか銀行)独特のルールとしては、上の2つ。「給与振込口座に指定している」「一定以上の預金残高がある」ということでしょう。

取り上げ審査は400人に1人程度?

その地方銀行の場合、毎日窓口に60人ほどの申し込み者の方が来ていたとのこと。営業日を月20日とすると、月間の申し込み者数は1200人。

そのうち、取り上げ審査になる人は「月数人」程度だったそうです。仮に3人として、1200人中3人ということは「400人に1人」ということ。確率としては、0.25%です。

つまり、地方銀行のカードローンの審査で「取り上げ審査」になることは、まずないということですね。よほどその銀行と付き合いが深い人であれば別ですが、基本的にないと考えてください。

融資までの日数はおおむね3日

その地方銀行の場合、融資は大体3日か4日程度かかることが多かったそうです。これについては、地方銀行によっては最短即日とか1時間というところもあるので、一概には言えません。

とりあえず、その地方銀行が提供するカードローンの場合、「急ぎでお金が必要なお客さん」で「クレジットスコアが高い」場合は、最短即日融資することもあったそうです。しかし、そんなケースはめったになく、基本的には3日程度かかったとのことです。

審査が終わってから、店舗で契約手続きがある

消費者金融の場合、審査が終わったらそのまますぐに融資されます。しかし、地方銀行のカードローンの場合、その後店舗窓口で「契約手続き」があります。

この時には「その銀行の預金通帳」「印鑑」「本人確認書類」が必要。銀行口座を持っていない人は、カードローンの審査前に開設しているので、この契約の時点では、かならず預金通帳があるわけです。

審査自体はすでに終わっているので、この手続きはあっという間に完了します。しかし、店舗まで出向かないといけないので、平日の日中、時間が開いている人でないと地方銀行のカードローンで借りるのは、難しいかも知れません。

(銀行によっては、土曜日・日曜日・祝日や夜間の受付窓口があるところもあるかも知れませんが…)

ブラックリスト入りしている人は、書類に印がついている

キャッシング審査の内部情報ですが、ブラックリスト入りしている人は、保証会社から返送されてくる書類でわかるそうです。そうした人はバツ印などの記号がついていて、それを見て「ああ、金融事故歴がある人だな」とわかるとのこと。

もちろん、そこで地方銀行が審査するわけではなく、もうすでに保証会社が審査結果を出しているので、地方銀行はあくまで「こういう理由で落ちたのか」と納得するだけです。

ただ、この「金融事故歴のバツ印」がない人で、先に書いたようにその地方銀行との関係が深い人の場合、地方銀行が「取り上げ審査」を依頼することもある…ということですね。

地方銀行のキャッシング申し込みは、フリーローンが多い

地方銀行が提供するキャッシングは、2種類あります。

  • フリーローン
  • カードローン

この2種類で、意味はそれぞれ下の通りです。

  • フリーローン…必要な金額を最初に一括で融資する
  • カードローン…限度額だけ決めて、借り入れの金額・する時は本人に任せる

というもの。プロミス・アコム・SMBCモビットなどのスタイルは、後者の「カードローン」の方です。

フリーローンは、たとえば下のような流れで融資されます。

  • 申し込み者…「150万円」の融資希望を出す
  • 地方銀行…保証会社に回す
  • 保証会社…OKを出す
  • 地方銀行…150万円一括で渡す。それ以降の融資はない

ということです。「それ以降はない」と書いていますが、これはカードローンのように「何度でも借り入れできる」(限度額の範囲内で)というのはできない、という意味です。

もしまたお金が必要になった場合、再度フリーローンの審査を受ければ、借りることもできます。もっとも、その審査に通るのは、一回目よりだいぶ厳しくなりますが…。

フリーローンとカードローンの違いはこのようなものですが、地方銀行では基本的に「フリーローン」の申し込みが多いとのことです。


以上、地方銀行の元行員だった方の記事を元に、地方銀行のキャッシング審査についてまとめさせていただきました。大手銀行と特に違う点としては、「取り上げ審査」が比較的多いということでしょう。

地域の人の生活や事業を助ける、というのが地方銀行のメインの目的ですから、やはり付き合いの深い人に対しては、審査でも融通をきかせると考えられます。もっとも、あくまで0.25%という、極めて低い確率ですが…。

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