キャッシングの利用者というと、低年収な人がするイメージが強いでしょう。ところが現実には、半分近くが「年収500万円~1000万円以上」という、平均よりも高所得な世帯に属するのです。
それも「借入総額の比較」ではありません。「金額」だったら、たくさん借りられる彼らの合計の方が、上回るに決まっていますからね。
あくまで「人数」で半数近くなのです。正確には、2015年に日本貸金業協会が発表したデータで、43.3%が「年収500万円以上」という統計が出ています。
これは、お金のことを真剣に考えている人の間では、むしろ常識となっていることです。実は、年収1000万円前後というのは一番生活が苦しい世帯の1つなのです。
「そんな馬鹿な」と思われるかも知れません。でも現実に、2015年の日本貸金業協会のデータでは、「年収1000万円以上」の人たちが、何と「7.3%」もいます。繰り返しますが、これは「合計金額」ではなく人数です。
年収1000万円の生活が本当に豊かだったら、カードローンに手を出す必要などないでしょう。しかし、実際には7.3%の「年収1000万円プレイヤー」が、キャッシングしているのです。
この数字がどれくらい高いのか検証してみましょう。
日本で、年収1000万円~1500万円の人は、男女で下のような割合になっています。
このように「男女すべての平均」だと、日本人で年収1000万円~1500万円の人は「2.6%」しかいないのです。
で、キャッシングの場合は男女ほぼ半々の割合でしていますから、「男性」だけでなく「男女の平均」で見るべきでしょう。そう考えると、下のようになります。
ということです。日本全体の「2.6%」しかいない人たちが、キャッシングの総利用者の「7.3%」を占めているわけです。他の年収の人たちと同じだったら、「総利用者の2.6%」で終わるはずなのに、その3倍近いわけですね。
ここで一度、2015年に日本貸金業協会が発表した統計を見てみましょう。年収別に「カードローンの利用者全体の、何%を占めているか」を一覧にしたものです。
年収の金額 | 割合 |
---|---|
収入なし | 4.1% |
100万円未満 | 2.9% |
100万円以上~200万円未満 | 8.0% |
200万円以上~300万円未満 | 12.2% |
300万円以上~500万円未満 | 28.9% |
500万円以上~700万円未満 | 20.7% |
700万円以上~1000万円未満 | 15.9% |
1000万円以上 | 7.3% |
日本人の世帯年収の「中央値」は、438万円です。「平均値」だと「549万円」ですが、多くの人の実感では「中央値」の方が正しいでしょう。平均年収だと「年収10億」というような化物レベルの人たちが、平均を押し上げてしまうからです。
ということで、日本人の世帯年収は大体「440万円」ですが、確かに上の表でも、それに該当する「300万円以上~500万円未満」が「28.9%」と、一番多くなっています。
しかし、「それ以下」と「それ以上」を比較すると、断然「それ以上」の方が多いんですね。つまり「小金持ち」の方が、多くキャッシングをしているのです。
上の表で、平均年収(438万円)より上の人・下の人のキャッシング利用を比較すると、下のようになります。
という風です。「平均以下」の人は、実はかなり少ないことがわかるでしょう。「平均以上」の人は、実に「平均以下」の「1.7倍」程度いるのです。
この統計を見て「小金持ちも結構生活苦しいんだな。よしよし」と安心している人もいるかも知れません。しかし、ここから読み取れるのは、もっと残酷なことです。
それは貧乏人は、借金すらまともにできない、という現実。では、彼らはお金がない時どうするのかというと、多くは「闇金業者から借りる」ということになります。
「ヤミ金から借りるなら、結局借りるんじゃん」と思うかも知れません。しかし、そうではありません。ヤミ金は「最初から、返済など期待していない」業者なのです。
ヤミ金は、借り手に対して返済など期待していません。できるわけがない、天文学的な金利だからです。(大手の消費者金融の年利の1000万倍以上です)
では、彼らは何を借り手に期待しているのかというと奴隷として労働してもらうということです。
「奴隷」というと語弊があるかも知れませんが、本当にそれに近い内容なのです。たとえば山奥の産業廃棄物処理場で、周囲との連絡も完全に取れない中で、ひたすら過酷な労働に従事する…、というような待遇です。
昔のように「マグロ船に乗せられる」とか「ロシア行きの漁船で働かされる→そのままロシアで売られる」ということは、さすがに減ったようです。しかし、それに近い過酷な労働が、現在でも残っているのは確かなようです。
「年収が高い人でも、意外と借金をしている」というデータだけなら、平均的な世帯にとって「みんな苦しいんだ」という安心感をもたらすかも知れません。しかし「貧乏な人が借金すらできなくて、こういう統計になっている」ということなら、この統計は、かなり残酷な現実を見せていることになります。
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