キャッシング業界では「二極化」が進んでいます。「まともな業者はすべて大手に吸収され、中小業者がどんどんヤミ金になっていく」という現象です。
特に2006年に貸金業法が改正されてから、消費者金融はこれまでのような高金利を取ることができなくなりました(グレーゾーン金利の撤廃)。これによって経営が厳しくなり、大手に吸収されたり、ヤミ金になったりする中小業者が増えています。
実際、アコム・プロミス・SMBCモビットなどの大手の消費者金融は、すべて銀行の傘下に入っています。それぞれの銀行との組み合わせは下の通りです。
という風です。レイクは今では「新生銀行カードローン レイク」という完全な銀行のキャッシングですが、ここでは「昔の話」ということで、消費者金融として扱っています。
というように、大手業者すら銀行のグループに入らないと経営できない時代いなってしまったのです。唯一生き残っているのはアイフルですが、アイフルもやはり三井住友銀行が相当出資していますし、経営は少々厳しくなっています(最近はだいぶ回復したいますが)。
このように大手が銀行カードローンに取り込まれてさらに巨大化し、「薄利多売」でやっていけるようになると、ますます大手に利用者が集中していきます。
もともとキャッシングというのは普通の商品やサービスと違って、差別化がしにくいビジネスです。そのため、資金力で劣っている中小業者が挽回するチャンスはほとんどないんですね。
今残っている中小業者は「学生専用ローン」など、コンセプトを絞って勝負している所が多いですが、それでもやはり学生だってATMが自由に使える大手の方が、借入・返済しやすいということにすぐ気づくでしょう。
というように、何かの分野に特化して、ニッチな企業として生き残るのも難しい…。という厳しい状況に、中小のキャッシング業者は立たされているわけです。
こういう状況から、多くの中小規模のカードローン業者は、事業撤退か、闇金業者になるか…という2つの方向に分かれています。自社が闇金業者になるのでなくても、「ヤミ金の仲介業者」として生き残っている会社もあります。
つまり、自社に審査申込みしてきた借り手を、闇金業者に紹介するわけですね。「うちでは融資できませんが、いい業者を紹介しますよ」という感じです。
このようなヤミ金の仲介業者として設けている貸金業者は、「300万円まで金利5%」というような、圧倒的な低金利を広告に掲げ、それで申し込み者を集めます。低金利に釣られてきた人を、ヤミ金に紹介する…という流れですね。
実際、大手の資本力でもできないような低金利の融資を、中小業者ができるわけがないのです。もし名前を聞いたことがないような中小業者の広告で、やけに安い金利が書かれていたら、それは間違いなく詐欺だと、疑ってかかってください。
そもそも、いくらカードローン業界の経営が厳しいからといって、闇金業者から借りる人がいなければ、ヤミ金というビジネスは成立しないはずです。それが成立しているというのは「闇金業者から借りる人がいる」のが問題なんですね。
こうした人々は、なぜヤミ金から借りるのか。理由の一番は「借金は、普通にそのまま返済しなければいけない」と思い込んでいるからです。
という発想がないんですね。どちらの方法でも返済できるし、あるいは返済の義務から逃れることができますが、こういう選択肢を脳内から排除しているわけです。
(というより知らないのですが)
基本的に、自己破産・個人再生・任意整理などの債務整理には、デメリットが何もありません。一応「自宅・自動車・預貯金」などの資産をとられるというデメリットはあります。
そのため、そうした資産を持っている人だったら確かにマイナスもありますが、ほとんどの多重債務者の人々は、資産などすでにないので、債務整理をするデメリットはないのです。
「失うものがない人間の強み」ということですね。貸金業者も自己破産されることを一番恐れているので、自己破産されるくらいなら、借入総額を5分の1にする個人再生の方がいい、と手を打ってくれることが多いです。
というように、どれだけカードローン地獄に陥っても、自己破産が認められる内容の借金(免責許可事由)であれば借金をチャラにできるので、こういう場面ではぜひ前向きに自己破産を検討してみてください。
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